Water tower, University of Aveiro, Alvaro Siza

January 25, 2018

 

 

 ポルトから私鉄Urbanoラインで南へ一時間、ポルトガルのヴェニスあるいは水の都だなんて呼ばれたりする都市「アヴェイロ」を訪れる。陸地とほとんどフラットな高さで運河が流れており、漁業や酪農が盛んな田舎町だ。町並みはどこか日本に似ていて物価もさらに安い。時間がゆったりと流れてのほほんとしている。運河には極彩色で彩られたモリセイロという船が浮かんでいるのだが、肥料となる海藻を集めるための船らしい。アルヴァロ・シザ設計の「給水塔」と「図書館本館」がアヴェイロ大学にあるので向かおうとしていたら、途中にレンタルサイクルの文字が!受付のじいちゃんに聞くとなんと無料。IDカードだけ預けて18時までに帰ってきてねとのことで、交渉したらバックパックも預けさせてくれました。町の人たちは物腰柔らかく人柄がとてもいいです。快晴の運河沿いを走り都市見学も含めて15分そこらで大学に到着。計画自体が特殊で大学にある学科棟それぞれが様々な建築家によって設計されているらしい。その中でもシザは大学の軸バーンと真正面にある給水塔とその反対に位置する図書館を担当しています。図書館はそこまでのように感じてしまったので給水塔のみ触れましょう。それ自体は幾何学が組合わさったシンプルな構成。しかし中心にある丸柱はマッスではなく螺旋階段が内側にあり配管とメンテ用の動線を担っています。鉛直荷重は丸柱に受けさせて水平荷重は壁柱が対応している、だからこそあの壁柱の“薄さ”が可能になっているということなのだろう。おそらく重要なのはこれが大学の象徴:シンボルであるという点だ。給水塔というのは本来機能でしかない、加えて現代では役目を終えてオブジェ化しているケースが事実多い。ここで氏は前提を設備でも単に装飾としてでもなく大学の計画学に落とし込んだのだ。もしかしたら他の学科棟を建築家が設計する際に、見えない規範のようなものを与えているのかもしれない。というのもまるで「給水塔」を奉るようなぱっと見同じファサードが並んでいて、しかし各棟作家性がにじむ。例えば私がここに学科棟を設計しろと言われたら意識せざるを得ないでしょう。真相は定かでないが周囲に何かしらの影響は与えている気がします。

 

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