Museu Paula Rego, Eduardo Souto de Moura

January 31, 2018

 

   私がよく利用するカイス・ド・ソドレ駅から市電で40分ほど西へいくと「カシュカイス」という町に着く。以前は漁村だったが現在はすっかりリゾート地へと変化してしまった。夏にはサーファーや観光客にビーチが埋め尽くされる。ポルトガルには多くの漁村が存在しているのだが、そのほとんどが一次産業を撤退しサービス業へと移ってしまった。都市のレジャーのために典型的なポルトガル漁村が隅へ追いやられている現状は少し寂しい。そのカシュカイスに建築家エドゥアルド・ソウト・デ・モウラの「ポーラ・レゴ美術館」があるので向かった。以前行った「ブラガ・スタジアム」と並ぶ代表作にあたる。真っ赤なコンクリート打ち放しと澄み渡る青空の対比がどぎつい。「ポーラ・レゴ」とはポルトガルの女流画家、イラストレーター、版画家で彼女が描く風刺的な「悪意」を私はとても気に入った。映像作品を鑑賞していると明るくポップなキャラクターがわいわい踊っているのだが、途中から共食いが始まる。深い闇が覗くなんとも味気の悪い作品。私は好きですが、見た人の感想を聞いてみたい。彼女のことばかりだが正直建築は外部と内部が完全に乖離しており、外形で見えるフジツボ型の突起はほとんど効いていない。カフェとギャラリーショップのトップライトに用いられているのみで、展示空間には一切関係がないのだ。しかし作品鑑賞を終えて外に出て振り返ったとき改めて気付いた。あの異常に深紅で「グロテクスさ」のある建ち方は、ポーラ・レゴの作品性そのものを表現していたのかと今は妙に納得している。 

 

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