Restaurante Panoramico de Monsanto, Lisbon

January 30, 2018

 

 

 

 失われたロストアーキテクチャ-だなんてずいぶんSFチックな言い方だが、webでそう書かれている通り本当にそんな建物があった。1968年に建てられた山頂のパノラマレストラン。名前にモンサントとあるが、これは以前紹介したモンサントとは別の場所だ。ポルトガルにはモンサントが三つもあるので“秘境”のほうに行く人は注意。かつてレストラン、ナイトクラブ、ビンゴ、オフィスや建築資材の倉庫として使用されていた。設計は(おそらくポルトガル出身の)「Chaves da Costa」という謎の建築家によるもの。理由は定かでないがレストランは閉業し、廃墟として取り残され、落書きや不法占拠など10年間ほどほったらかしにされてしまう。しかしその特異な建築形態が人々を魅了し、危険指定されても訪れる人が後を絶たない。サンジョルジュ城より遥か頂きから町を見下ろすのは建築でなくとも訪れる価値がある。ようやく動いた市によって瓦礫が撤去され、内側は吹き曝しだが露出した構造体を見学することができます。常駐している監視員が暇そうにスマホをイジイジしてるだけで、あたりまえだけど無料です。プランは円形だが、半円ごとにスキップフロアが重なる構成になっている。プランニングを勉強していると「円形プラン」というのは設計者に嫌煙されることが多い。理由はシンプルで大抵のモノが上手く収まってしまい、新しさもなく、想像余裕で「禁じ手」だなんてよく言われる。しかしこの建物のパタンはなかなか面白い。廃墟なので構造形式の話に尽きるが、スキップフロア毎にキャラクターの異なる梁や柱を用いている。どんどん上に上がっていくと初めは巨大な壁柱だったものがいつの間に鉄骨へ変化し、繊細そして見たことない装飾的トラスへグラジュアリーに変わる。落書きだらけでお世辞にも綺麗とはいえないが、プログラムが排除されても成り立ってしまっている事実。そして廃墟とは一般的にネガな印象を与えるが、それは捉え方次第。むしろその辺の現代建築より数倍考えさせられることもある。この建物はまさにそんな感じでした。行き方はリスボンからバスで一本、最寄りから歩いて5分ほどです

 

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