Quinta da Malagueira, Alvaro Siza

February 11, 2018

 

 エヴォラの城郭都市から少し離れて西へ20分ほど歩いていくと「キンタ・ダ・マラゲイラの集合住宅」というシザ設計の建物が見えてくる。マイナーな作品なので知らない人も結構多いのではないでしょうか。わざわざエヴォラまで見にきた理由は単純にその作品の規模、町一つ作ったような巨大さにあります。集合住宅というと当然何層かスタックした建物を浮かべますが、このケースはほとんど一層で壁面共有した住宅が平面的に反復されている。微地形に沿ってフラットにすーっと伸びていく姿は、前述したエヴォラの街並みを彷彿とさせるし、それでいて氏の作家性をきちんと感じました。既存の街並みを考慮したうえでの意匠の滲ませ方はさすが。面白いなと思ったのはライフラインのさばき方。集住とは完全に切り離して空中で架構を組み、灰色のブリックの飛び張梁がびゅんびゅん飛んでいるのですが、そこにライフラインを通していました。そしてそれが屋根になり廊下的な役割も果たしています。通常は埋没などで達成されるべき当たり前のしかたを逆手にとる。ある巨大さを解くときに単に電信柱などを用いるのではなく、水道橋のように飛ばすという方法は考えてもみなかったので興味深かったです。またエキスパンションすらとっておらず、意図的に構造を外して仕上げも180度変えている。このあたりに何か氏の意図的な思想を感じます。客観視しかできないので上手く読み込めているか微妙ですが、エヴォラ性みたいなヴァナキュラーな思考と現代のすり寄せはすごく勉強になりますね。加えて、各住戸ドア回りにあるフチの配色やドアの素材、窓格子など多くの「添加物」ともいえるファニチャーを住民に委ねていたのです。完結したデザインをするのでなく、枠組みをつくって「後は好きにして!」」という参加型のしかたは実践が難しいのですが成功していました。写真が良くないのでイメージが付きづらいと思いますが、予想していたより良かった!

 

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