「 図4」

May 11, 2018

 

 

 ドクターの同期、大村が(ほか先生方3名と共著で)「図4」という本を出版した。過去に出版された「図1~3」の続編ということだが、内容としては全く新しい、斬新な「切り口」で描かれている。編集作業はほとんど彼が担当したそうで、2年ほど前から綿密な打ち合わせを重ね、ようやく出版にこぎ着けた。詳しい内容は彼のブログで紹介されているので、是非リンクに飛んで確認してほしい→ http://o-tkhr.hatenablog.com/entry/20180406/1523011027 

 

 編集の様子を遠目に観察していたから、一体どんな本になるのか、とてもわくわくしながら出版を待っていた。内容について簡単に触れようとおもう。本書は世界中に点在する建築(一部例外もある)の平面図、そのなかでも幾何学で構成される建築の平面図のみを片っ端から集め、円形、四角形、多角形、楕円形でソーティングし、それらを大きさ順に並べている。ただそれだけ。とてもシンプルで単純明快、子供でもわかる「切り口」というのがいい。一見すると阿呆なことを徹底的にやってみる、すると、ときにそれが社会性を帯びたりするわけである。そういうサイコパス的な思考、とても共感しています笑。建物の特徴を決定的に捉え、限りなく線を減らした意匠図の羅列。ぼけーっと眺めていても、明らかに違いが汲み取れる。簡単そうにみえるが、一本の線に対する緊張感、そして地獄の作業量だ。しかしすっとした装丁であり、だからこそ批評性がある。図集というよりは、図鑑に近いとおもう。単純に見ていて楽しいし、一冊コレクションに持っていたくなる、そういう一般化も捉えている。

 

 幾何学とは、ある図形が辺や角を成し無限に変化していく過程の産物。そのはずなのに、円形も八角形も四角形も、(数学的な論証を除いて)何かある立場を確立させている。八角形ならいいけど、七角形は違う、みたいな。意識が飛ぶような、不思議な身体性を感じてしまうのは何故なんだろう。本書に差し込まれた写真のページ。どれも掲載中の建物をアイレベルで撮られている写真だけれど、断面のある部分を見ただけで建物の全体性を予測できてしまう感覚がある。実際にその建物を訪れたときはそんなこと考えなかったけれど、巨大な建物でもまるで手のひらで捉えられるような明解さがある。知覚情報として記憶に関与しやすいのかもしれない。「21世紀美術館」とか「CDGターミナル1」とかいい例ですね。自分とは鏡写しのようなアプローチで、とても面白いなあと思っていました。というのも、以前先生に「大村は“平面”で、堀越は“断面”だね」といわれて妙に納得した記憶があります。全然気が付かなかったが、確かに。

 

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