2022

二号棟の増築(第三期)
Extension of Building No. 2 (Phase Ⅲ)


直しながら住み継いでいくプロジェクト。

廃墟と化していた築40年弱の平家「二号棟」を現状復帰するために、平成27年に第一期工事として水廻りの修繕を行い、かろうじて賃貸物件への再生を行なった。

しかしながら、令和元年9月9日千葉県を襲った歴史的災害台風15号の影響により二号棟の屋根は全壊し、暴雨による浸水によって壊滅的な被害に見舞われた。行政の支援金制度を通じて、なんとか二号棟も復旧の目処が立ったものの、そもそも動ける職人が見つからない。仕方なく水道屋の知り合いとで屋根の復旧作業にあたったのだか、今度は建材の枯渇と物流のストップから材料が手に入らない。手に入る材料はもっぱら地域のホームセンターに売っているようなモノしかなく、やむなく屋根葺きは茶トタンで、浸水した天井を剝がして小屋組み表しとし、床にはOSB合板を重ね張りの上、内壁は水性のホワイト塗装、解体作業と最小限の工程で第二期工事を終えた。

ギリギリ生活ができる程度に復旧は完了したものの内部の環境はお世辞にも良いとはいえず、令和三年の末にほどなくして第三期工事が始まった。財源はCovid-19の蔓延に伴う事業支援の給付金計135万である。手間代を払える予算はないので工事は人ひとりで行うことにした。事前の設計検討はきっぱり辞め、被災後の第二期工事のように即興で材料と工法を選定していく。目地、異種部材同士の収まり、表しの断熱材、露出の電気配線・空調配管、可動の造作といったディテールはその場で決定され、あくまで今後も追加で工事を行うことを前提として作られた。人と同じく予定不調和な住居の生き様がまざまざと露わになり、みすぼらしくも住み継いでいける空間になればよいなと思いながら。



2015年10月 第一期 竣工:風呂、便所の修繕。内装の一部改修。
2019年9月 第二期 竣工:台風15号で浸水被害のあった天井・壁を解体、屋根葺き替え、床重ね張り、内装一部塗装。
2022年9月 第三期 竣工:増築、ライフラインの修繕、断熱防音工事ほか改修工事一式。
2023年  ~ 第四期 予定:外装及び外構の工事、車庫・アプローチ部の改築。





 

 

二号棟の増築(第三期)


所在地    :千葉県富里市
主要用途   :専用住宅

構造     :木造
建築面積   :46.4sqm
竣工年    :2022年9月

設計施工(空調・電気工事含む):堀越一希
ガス水道工事 :江村政幸 株式会社エルピオ

施工協力   :川島昂次郎・西森史也・佐野成耶・富田陸斗・出水治輝


写真     :Kazuki Horikoshi