2019
一号棟の天井
The First Ceiling
木造築45年貸家の再改修。
4年前に風呂、トイレ、キッチン周りを入れ替えてもらったものの、夏熱くて冬寒い、陽当たり悪いし、湿気が半端じゃない。あまりにも住環境が悪いのでなんとかなりませんか、という話からこのプロジェクトは始まった。
しかしながら「お金はほとんど出せません!」と施主から第一声。通常の現状回復にかかる費用以下で何ができるか考える必要があった。予算が無いのなら無いなりにできることがあるはずだ。そこで私は、設計期間を設けることをハナから辞めた。現場で思考し、ホームセンターで納品して即興でディテールを作る。すなわち設計者兼現場管理兼職人として自作自演することにした。安価な素材に敬意を払い、原理を読み替え、手間をもって回答する。この結果として、坪15万という異例の施工単価で収めることが可能となる。
貧乏臭いのに快適で、なんかいい感じ。そんな環境の形成を目指した。
所在地 :千葉県富里市
主要用途 :貸家(専用住宅)
構造 :木造在来構法、平屋建て
改修部分 :内装、一部外装および屋根
規模 :36.7平米
竣工年 :2019年11月
設計・施工 :堀越一希
染織 *1 :木村友美
写真 :堀越一希