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2020

西深井の左官
Plasterer in Nishifukai


創業百数十年の老舗割烹別館、一階客室の改修。
豊かな緑に囲まれ、土手を隔てた利根運河へ向かって建つ「本館」「離れ」「別館」の三棟からなる料理屋がある。
プロジェクトに先立ち、「本館」「離れ」とその土地が市の文化財として保存されることになり、残された「別館」をなんとかしなくてはいけない。その企画構想の相談を受け、客室を改修することになった。

インテリアとはいえ、この特異な状況を手掛かりとして何か
できないかと考える。そこで市が活用を決めあぐねている「離れ」、そこにあったいわゆる大正ロマンの建具ら(障子戸)に手を加え、その用途を変え、この客室に転用することにした。とはいえ木造築50年を超えた歪んだ空間に建具を吊りこむのはそう容易ではない。ぼくらはここで扱う次元を十数年前の建具らに依拠させつつ、既存建物の歪みを褐色ムラの左官に
なぞらえ、じっとりじっとりと手間をかけながら執拗に素材と向き合った。

​できたのは間口三間、奥行五間のがらんどう​である。





 

染織

 



所在地    :千葉県流山市西深井
主要用途   :客室(飲食店)
構造     :木造 在来構法
工事内容   :内装
工事範囲   :48.6sqm
竣工年    :2020年4月
掲載     :architecturephoto.net/95073/

企画     :亀井滉
監理     :堀越一希
設計・施工  :堀越一希、上野純、七五三掛義和、長尾謙吾
染織 *1   :木村友美
電気工事   :長尾電気

写真     :堀越一希

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